オーストリアでの撮影

オーストリアの気候と地理

オーストリアで野外撮影を行うにあたって、全てのプロデューサーが知っておくべきこと

豊かな歴史と文化的多様性を誇るオーストリアには、世界で最も素晴らしいロケ地が存在しています。オーストリアの壮大なランドスケープは、ここ数十年人気のあるロケ地として知られています。ここ数年に公開されたハリウッドの大人気映画の例をあげると、トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」やニコラス・ケイジ主演の「デビルクエスト」があります。


雪に覆われたアルプスの山頂から、日の差す穏やかな気候の南方のケルンテン州まで。自然景観の類を見ない多様さのおかげで、オーストリアの全ての地域は撮影のための素晴らしいロケ地として利用できるでしょう。

豊かな歴史と文化的多様性を誇るオーストリアには、世界で最も素晴らしいロケ地が存在しています。オーストリアの壮大なランドスケープは、ここ数十年人気のあるロケ地として知られています。ここ数年に公開されたハリウッドの大人気映画の例をあげると、トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」やニコラス・ケイジ主演の「デビルクエスト」があります。


雪に覆われたアルプスの山頂から、日の差す穏やかな気候の南方のケルンテン州まで。自然景観の類を見ない多様さのおかげで、オーストリアの全ての地域は撮影のための素晴らしいロケ地として利用できるでしょう。

オーストリアには地理的に多様な景観が存在します。この国にはまた大陸的気候からアルプス気候まで、多様な気候が存在しています。

美しい自然景観に次ぐオーストリアの最大の長所は、どのような僻地においても、素晴らしく整備されたインフラだと言えるでしょう。


この美しい中欧の国での制作を検討している全ての人にとって、地理、アクセス性、そして気候について知っておくべき情報をこの記事にまとめました。

山、谷、そして都市の天候

オーストリアは中欧の南に位置し、ドナウ川が流れています。海洋性・大陸性の両気候が混在しており、また明確な四季があります。通常、夏は高温で乾燥していますが、冬には雪が多く降り、数ヶ月間地面を覆い続けます。


東部では、夏は暑く、降水量は少ないです。山岳部では雨が多く降りますが、ウィーン盆地では晴天に恵まれることで有名です。北部の年間日照時間は1500時間を下回りますが、その他の地域では平均して1850時間から2100時間程度です。南部では、冬の気候は穏やかですが、夏には気温が高くなります。ケルンテン州のような場所は人気の保養地となっています。


オーストリアの国土の大半は高い山に覆われており、なだらかな丘と盆地はわずか約6分の1を占めるにすぎません。この国の最高地点はグロースグロックナー山で、最低地点はノイジードラー湖です。気候は基本的には大陸性ですが、標高による影響が極めて大きいです。オーストリアでは天候が変わりやすいですが、予測がしやすいため、制作において問題となることはありません。

Youtube 美しいオーストリア

しばしば、オーストリア各地は濃霧に覆われることがありますが、チロル地方においては、晴れの日に恵まれることが多いでしょう。通常、霧は秋に多く発生し、特に湖周辺、もしくはオーバーエスターライヒ州の盆地や中部オーストリアの谷のような低地において顕著です。インスブルックでは霧が出るのは年間20日程度ですが、ウィーンでは例年3倍から5倍程度霧が観測されます。また、チロル地方の狭い谷や険しい山肌において、霧は頻繁に見られますが、日の出とともに大気が温められると、霧はすぐに晴れます。このおかげで、チロル地方の冬の気候はスキーヤーにとっても望ましいものなのです。


急激な気温の上昇をもたらすフェーン現象はアルプス地方では頻繁に発生します。この現象は、山の片面を上昇し、冷やされて湿度を失った空気が山のもう片面を下降する際に、乾燥した暖かい風となって吹き付けることを指します。雪解けを引き起こすため、フェーン現象は「雪食い」と呼ばれることもあります。また、異常気象を引き起こすこともあり、アルプス地方では10月においても夏並みの気温を記録することもあります。

オーストリア最南部のケルンテン州の気候は穏やかで、地中海性気候に属しています。しかし、この地方には面白い気候的特徴があります。例えば、ケルンテン州の谷では、冬にはある種の気温の逆転現象がみられるのです。高度1000mから1400mの場所では、1000m以下の場所と比べて、しばしば気温は15度ほど高くなります。谷での年間の平均気温は20度から24度の間で変動しますが、山では14度から20度になります。


ケルンテン州の湖周辺の地域では、水は南から北へと流れており、気象条件に恵まれない地域を保護しています。6月から9月にかけて、湖畔部の気温はしばしば28度を超え、この夏の気候は通常秋まで続きます。

オーストリアのアルプス − 山頂と牧草地

アルプスはヨーロッパ最大の山脈の一つで、7カ国(スロベニア、オーストリア、イタリア、スイス、リヒテンシュタイン、ドイツ、フランス)に及んでいます。山の利用方法は国によって異なります。例えば、オーストリアのアルプス地方はスキーリゾートの楽園とされていますが、バイエルン地方では一年を通してハイキングやクライミングで賑わっています。もちろん、これは基本的には地理的な条件に大きく影響を受けています。

アルプスで撮影された作品

息を呑むほど美しいアルプスの景観は、2015年の映画「Wie Brüder im Wind」の制作チームが東チロルでの撮影を決めたいくつかの理由のうちの一つに過ぎません。不幸な男の子とイヌワシの間の関係を描くこの映画には、ジャン・レノ、トビアス・モレッティのような盟友が出演しています。制作チームにとって重要だったのは、景観はもとより、観光客に邪魔されることのない、雪の降る静かな環境の中で撮影を行うことでした。チロルの住民やホーエ・タウエルン国立公園のスタッフはとても協力的で、映画のためのロケ地を探し出してくれました。撮影においては、彼らからのあらゆる援助が大きく役立ちました。というのも、牧草地だけでなく、スタッフと設備の輸送に大きな困難を伴う山地でもロケが行われたからです。

多彩なカメラワーク、そしてドローンやヘリコプターやイーグルカメラの活用など、この映画の制作者は多大な時間を多くの撮影のために費やしました。こうして彼らは、イヌワシとシャモアの格闘のような珍しいシーンをフィルムに収めることに成功しています。撮影監督で、また自然写真家でもあるOliver Penkerは、この映画の撮影はオリンピックで金メダルを勝ち取るようなものだと語っています。特別なシーンを撮影するために、制作チームは動物のような生活を送らなければなりませんでした。時には零下25度にまで冷え込む天候の中で、気付かれないように動物たちの行動を観察しなければならなかったのですから。

オーストリアは東アルプスに位置し、その渓谷にはイン川、エンス川、ムール川、そしてドラーヴァ川といった数多くの川が流れています。これらの川は重要な交通路とみなされています。例えば、スイスのエンガディン地方を源流とするイン川は、チロルの州都インスブルックを通りぬける510kmの美しい旅路の後にドナウ川に合流します。


オーストリアの山脈の美しさは、自然環境の多様性に由来します。オーク、ブナ、アカマツの木、そして山麓に広がる森林では、リンドウ、ロサ・ペンドゥリナ、ユキノシタ、そして珍しいエーデルワイスのようなアルプスの花を見つけることもできるでしょう。チロル地方の谷では、3月の雪解けの後、朝や夜には気温が氷点下にまで落ち込むのにも関わらず、花々は成長し始めます。


スキーはオーストリアの国民的スポーツなので、オーストリアのアルプス地方のスキー場の全長は7200kmにも達します。(これらのスキー場は260ものスキーリフト会社によって運営されています。)最も寒く、最も雪の多い季節は12月末から1月末までで、この期間においては日照時間が極めて短く、積雪量は20cmにも達します。快晴に恵まれる2月はスキーヤーにとって最高の季節になるでしょう。3月には雪解けが始まってしまいます。ヒンタートゥクス氷河のように、平均気温が氷点下となるような3000m以上の高地では、6月に入ってもスキーを楽しむことができます。

水の領域、ケルンテン

オーストリアは、山地だけでなく、湖にも恵まれています。オーストリア人によると、湖の水はそのまま飲めるほど綺麗です。


オーストリア最南部のケルンテン州には、1270以上の湖があり、そのうち200の湖の湖畔には保養地や遊泳用のビーチがあります。ケルンテン州の湖の面積は合計で60平方kmにもなりますが、4つの最も大きい湖、ヴェルター湖、ミルシュタッター湖、オシアッハー湖、そしてヴァイセン湖がそのほとんど(50平方km)を占めています。


この地域最大の湖であるヴェルター湖は、ここ数年でウォータースポーツのメッカとなり、北の湖岸は「オーストリアの湖岸」との二つ名で呼ばれるようになりました。この湖は、ケルンテン州の盆地にあります。湖には多くの島があり、また半島によって3つの部分に分かれています。


アルプスの湖の中で、最も深く、そして最も澄んでいるのは水深141mのミルシュタッター湖です。この湖は海抜930mに位置し、標高2236mのLatschur山のふもとにあります。この湖は、透明度が高く、水面から12m下まで見通すことができますが、これは、環境保全のための厳しい規制のおかげなのです。ヴァイゼン湖自然公園は厳しい交通規制によって自然が保護されています。乗用車による交通は禁止されていますが、代わりに環境に配慮されたバスは午前8時30分から午後8時30分まで利用可能です。


ヴァイゼン湖の素晴らしさは、2016年の長編映画「Ein Sicherer Ort」に存分に表現されています。この映画は、ヴァイゼン湖の南の湖畔で、10日間をかけて50人のスタッフにより撮影されました。スタッフは現地のダイビングスクールと緊密に連携しました。ダイビングスクールは水面下でのシーンのための器具を提供し、また9mの双胴船を使用してクルーをサポートしました。また、安全のために、2人のダイバーが付きっ切りで撮影監督をサポートし、また爆発物を使用するシーンにおいては現地の消防士が常に傍らで待機していました。


ケルンテン州の630の湖は海抜1000m以上の高地に位置しています。山上に位置する湖は、1年のうち8ヶ月に渡って凍ることもあります。ショーバー山群の中で、高度2488mに位置するグランデン湖は1年のうち10ヶ月もの間厚い氷に覆われています。

ケルンテン州が「水の領域」と呼ばれるのは、数多く存在する湖のためだけではありません。ケルンテン州の渓谷や河川には、数多くの圧倒されるほど美しい滝があるからです。もっとも有名なのは、悪魔の橋やTschauko滝を擁するTscheppa渓谷、そしてドラーヴァ川に属するロマンティックなRagga渓谷やGaisloch渓谷です。また、オーストリア最大、200mの落差を誇るFallbach滝は、最も美しい滝だと考えられています。

Fallbach Wasserfall

このような美しい自然景観は、トンネルやつり橋でのみ辿り着けるような人里離れた険しい場所にあります。

ウィーンの海、ノイジードラー湖

ニーダーエスターライヒ州のウィーン盆地

ドナウ川の南、ウィーンの森の西に位置しているウィーン盆地は、南はゼメリンク山とブックリゲ・ヴェルト地方、南東はロザリエン山地とライタ山地に囲まれています。穏やかな気候のおかげで、ニーダーエスターライヒ州の最南部はワインの産地として知られています。この地域の中心地はバーデンで、バート・フェスラウのような温泉保養地では、泡立つ天然温泉によって健康増進の効果が謳われています。


野生動物が多いウィーン盆地の森は、代々王室により狩りの場として所有されていましたが、18世紀半ばにはヨーゼフ2世のはからいで公共財産となりました。13万5000ヘクタールの区域には2000種の植物と150種の鳥類が生息しており、2005年にはユネスコの生物圏保護区に登録されました。この森林は大量の降雨を吸収することで、洪水のリスクを減らしています。更に、良質な空気を保証し、また過剰な気温の変化を防ぐ効果もあるのです。


ウィーンの森(そしてウィーン自体)の気温は西風に左右されています。この風は、森を吹き抜けてウィーンに新鮮な空気を送り込む、自然の空調としての役割を果たしています。ウィーン盆地のうち、ドナウ川の南に位置する地域は丘が多く、肥沃な土地、森林、そして牧草地が特徴的です。この地域は、オーストリアで最も人口密度が高い地域(1平方キロメートルあたり1000人)でもあり、化学、樹脂、繊維、金属、石材、ガラス、そして食品加工といった様々な分野の工業が盛んな、経済的にも最も重要な地域でもあります。

ウィーンでの貴族の生活

ウィーンとその周辺は、数世紀にわたってオーストリア帝国の中心部として栄えました。そのおかげで、この地域には数多くの城と宮殿が存在するのです。ヨーロッパで最も印象的で最も人気のあるロケ地であるラクセンベルク城はウィーンからわずか15キロのところにあります。シェーンブルン宮殿から近いおかげで、この城は皇帝一家の冬と夏の保養地となり、18世紀までには宮廷生活の中心地となりました。城を取り囲む280ヘクタールの公園は18世紀と19世紀の様式を代表するもので、今日では歴史的記念碑となっています。

オーストリアで最も有名な建築物の一つで、地元住民には「小さな宝物庫」と呼ばれるフランツェンスブルクは、神聖ローマ帝国皇帝フランツ2世によって中世の城を模して人工島に建設されました。この城は、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇后シシィが新婚旅行で過ごした場所でもあり、また彼女が足繁く通った場所でもあります。皇太子ルドルフと皇女ギーゼラはこの城で生まれています。この城ではまた、子供向けの「Tom Turbo」やサスペンスドラマ「Schnell ermittelt」などのいくつかのTVシリーズが撮影されています。

オーストリア首都のウィーンから20キロほど離れた場所にある街、クロスターノイブルクには数多くの歴史的建造物が存在します。例えば、ゴシックおよびバロック様式で建築されたクロースターノイブルク修道院は今日ではオーストリアで最も重要な文化的中心地となりました。この修道院はバーベンベルク家のオーストリア辺境伯レオポルト3世によって創建され、100年かけて完成しました。この修道院の図書館には45000点以上の貴重な手稿や書籍が収められており、またオーストリア最古のワイン醸造所もあります。ワイン醸造は修道院の創立とともに始まり、ここで暮らす修道僧の主要な収入源となりました。また、クロスターノイブルクのこの108ヘクタールの土地は、オーストリア最大で最古のワイン畑でもあるのです。数多くの中世の壁や塔は今もなおその姿を留めており、数多くの珍しい植物が生える修道院の庭は自由に訪問することができます。

ウィーンから北へ23km、ドナウ川の渓谷を越えたところにクロイツェンシュタイン城があります。この城は12世紀にFormbach伯家によって建設され、のちにハプスブルグ家の所有物となりました。城はRohrwaldの森の高地に建てられています。30年戦争の間には、スウェーデン軍が城を包囲し、ほぼ完全に破壊しつくしました。19世紀には、ヨハン・ネポムク・ヴィルツェク伯によって、ロマネスク・ゴシック様式で再建されました。古い洗礼盤、ステンドグラスの窓、1000年前の扉のように、貴重なゴシック様式の遺物は今も城の中に保存されています。さらに興味深いのは、城内には中世の台所や拷問室の他に、オーストリア最大の中世の武器のコレクションが存在することです。絵画のようなクロイツェンシュタイン城は、数多くの1950年代や1960年代のホラー映画や、大規模な歴史ドラマ、そしてニコラス・ケイジ主演の「デビルクエスト」のようなハリウッドの大人気映画の中で見ることができるでしょう。

オーストリアには数多くの中世の城や遺跡がありますが、アクセスは必ずしも簡単ではありません。普通、ラウエンシュタイン城のような遺跡は、標高が高く、森や岩がちの地形に囲まれた場所に位置しています。例えばヴィルデック城のようにほとんどの古い城砦は現在ホテルとして使用されていますが、中には、ハイデンライヒシュタイン城のように、見学の際にはアポイントメントが必要な場所もあります。

オーストリアは、その国土の小ささにも関わらず、多様な自然景観に恵まれています。アルプスの山々の山頂やノイジードラー湖では、撮影条件が大きく異なりますし、また全く異なる種類のローカルの知識が必要とされます。私たちProgressiveのチームは、全ての撮影地での撮影条件について、常に最新で正確な情報を提供できるよう努めています。

ダウンロード中です
Zipで保存しました