撮影ロケ地

アルプスの町とそれらを囲む景色

チロル地方の歴史ある山岳地帯の建築

チロル地方には伝統的な木造の小屋や古い教会をはじめ、山の頂上にある機能的で現代的な建物まで様々な建築があります。このような多様な建築は、各時代それぞれの象徴的なデザインやスタイルで建てられており、それらを取り囲む素晴らしい風景と相まって、更に素晴らしいものになっています。この地方での数多い選択肢の中から最も理想的な場所を見つけられるよう、この記事によってプロジェクトのお手伝いが出来ることを願っています。


チロル地方には伝統的な木造の小屋や古い教会をはじめ、山の頂上にある機能的で現代的な建物まで様々な建築があります。このような多様な建築は、各時代それぞれの象徴的なデザインやスタイルで建てられており、それらを取り囲む素晴らしい風景と相まって、更に素晴らしいものになっています。この地方での数多い選択肢の中から最も理想的な場所を見つけられるよう、この記事によってプロジェクトのお手伝いが出来ることを願っています。


スタイリッシュな山の建物

山の頂上にあるケーブルカーの駅、スキー小屋、レストランなどが併設する建物を設計するために、最も有名な現代建築家が選ばれました。最新の建設技術を用いており、モダンな外見や機能的な構造を持つため、スタイリッシュなシーンやSF映画にも最適です。


壮大な山脈の絶景を最大限に活かして、山頂にはさまざまな最新機能を備えた施設があります。高さ数千メートルのパノラマが広がるプラットフォームを想像してください。これらは普通、最小限で風通しの良いデザインです。ところがオーストリアの完璧なインフラストラクチャのおかげで、このような場所にさえ、多くのスタッフを必要とする撮影でも簡単にアクセスすることが出来ます

Youtube ice q レストラン

山頂にあるレストランは、他に類を見ないタイプの建物です。周囲の環境に馴染むと同時に、景観の美しさを損なわない斬新なデザインです。登山に挑戦し、山の頂上に達したとき、人は温かくて美味しい食事の他に何を欲するでしょうか?壮大なパノラマビューではないでしょうか。これが、このレストランがガラス張りで出来ている理由です。


Ice Qレストランは海抜3000メートルにあります。メインルームは巨大なガラスキューブの形をしており、絶景を見渡すことが出来ます。パノラマテラスもあり、最高の料理が楽しめます。イシュグル山の山頂にあるPardoramaは、これに似通ったタイプの建物です。正面はガラスとスチールで構成されており、地平線が映ってパノラマを更に壮大なものにしています。 また、高さ2000メートルにあるFreiraum Ahornは、56メートルの長さのダイニングホールの壁面をガラスにしたことにより、アルプス山脈の景色を最大限に活かすことに成功しました!

007の撮影をしたアルプスを見渡せるレストラン

チロル地方の自治体であるゼルデンは、2015年のジェームズ・ボンド映画「007 スペクター」を撮影した場所です。追跡シーンに山道やトンネル、ケーブルカーなどが使われ、山頂にあるアイスQレストランは、ホフナー診療所として使用されました。監督のサム・メンデスは、アルプスのロケーションを利用して、過酷で近未来的なスタイルの雰囲気を作り出しました。絶え間ない危険と隣り合わせの絶景は、撮影などにいつでも利用することが出来ます。

展望台は山の主要な建物で、通常山頂に位置し、避難所、レストランなどを併設しています。象徴的な展望台といえば、オーバーグルグル/ホッホグルグルスキーリゾートのTop Mountain Star展望台です。円形の建物は、スチール、ガラス、カラマツで作られています。


ケーブルカーのないアルプスは考えられません。数千メートルの高さの山頂までは、ケーブルカーがなければ一般の人々は近づくことができないため、観光業を握る鍵となっています。安全と効率を確保するため、技術を可能な限り最新の状態に保つことが重要です。Wildspitzbahnはこれの最もいい例です。高さ3440メートルのユニークなアルミニウム構造で、山の頂上にあり、オーストリアで最も高い場所にあるレストランとなっています。

Pitztal_Wildspitznahn_2E8A5067_001 アルプスのパノラマに囲まれた大自然の中のケーブルカーの駅

木造の家や山小屋など、オーストリアの伝統的な建物を忘れてはなりません。これらは木彫りの美しい装飾や塗装で飾られています。建物の構造は何世紀にもわたって改良され、アルプスの厳しい気候条件の中で可能な限り快適な生活を過ごせるよう工夫されてきました。しかし、当然のことながら、現代の建築家は独自のバージョンの山小屋を作りました。 Addis Abebarは遊び心のある構造のスキー小屋で、箱型に飛び出た窓があちこちにある立方体の形をしていますが、壁に穴を開け、内側部分がテラスになっています。山に囲まれたこのミニマルな小屋は、滞在に理想的なスタイリッシュな場所です。


彫刻が施された木の小屋や、鉄とガラスで出来た建物など、アルプスではあなたが探している最もユニークな場所を見つけることが出来るでしょう。


モダンな都市部

オーストリアは、国が誇る美しい風景と共に、厳しい冬の極限スポーツでも世界的に有名です。この国のスポーツ産業は冬のスポーツを中心に発展しており、プロや趣味の両方で人々はスポーツを楽しんでいます。ここでも彼らは最も革新的な設計や技術に対してオープンです。例えば、彼らは世界的に有名なイラクの建築家ザハ・ハディドにスキーのジャンプ台の設計を依頼しました。インスブルックにあるベルクイーゼルシャンツェスキージャンプ台は、街と山々のパノラマビューを望むカフェテラスを備えた実にユニークなスポーツ施設です。また、彼女は普段のデザインよりもはるかにオーガニックなスタイルで、チロルに素晴らしいケーブルカーの駅を設計しました。自然と相対する幾何学的なコンクリート構造でありながらも、周囲にうまく溶け込んでいます。


過去と現在が共存するいい例は、再設計された伝統的なデパートのカウフハウスチロルです。外観はモダンに見えますが、両側にある歴史的建造物の基本構造をうまく利用し、数世紀の建築が統一された町並みとなっています。 一方、BTV Stadtforumは、より遊び心のある現代的な建物で、ビルの角には壁から突き出た大きな窓があり、目立っています。非対称の形状で、窓や壁が自由に配置されています。古くからのヨーロッパの建物と同様に中庭がありますが、当然その形も再解釈され、よりミニマルでスタイリッシュなものとなっています。この建物はオフィスとしてだけでなく、文化イベントや展示会のためにも使われています。

Kaufhaus Tyrol シンプルな構造ながらダイナミックさが際立っています

ErlにあるFestspielhausコンサートホールは、実に巨大です。 のどかな緑の丘にあり目立つため、その幾何学的な形状は忘れることが出来ません。ホールの862席の前に世界最大のオーケストラピットがあることからも世界的に有名です。


スパリゾートであるIglsのコングレスセンターは、すべての壁がガラスでできており、自然に溶け込んだデザインになっています。カフェでは、一般の人々も入ることが出来、厳しい冬の間に暖を取ることができます。



これらの現代的な場所はすべて、スタイリッシュで文化的な場所や未来の設定のシーンの撮影に最適です。オーストリアの便利な交通網により、どんな場所でもプロジェクトをスムーズに進めることが出来ます。

歴史の古い城の現在

これらの近代的な建物と共に、オーストリアには豊かな歴史が今も残っています。何世紀も前、ハプスブルグ帝国の一部として、この地域は中央ヨーロッパで最も経済的および文化的に豊かでした。このことが、各時代の最高の建築作品を見つけることができる理由ですが、すべてが西ヨーロッパの様式をオーストリア風に変化させたものです。

Youtube マッツェン城

チロル地方で最も古い城の1つは、マッツェン城です。皇帝アウグストゥスの時代のローマ帝国の道路と城が登録されている有名な文書にも記載されています。それ以来、主にゴシック様式で拡張工事が行われました。長年にわたり、時には争いの場で戦略的に使用されたり、裕福な家族の宮殿として使用されたりしていました。後年ゴシック様式の礼拝堂が建てられ、バロック様式の祭壇画で完全に仕上げられ、何世紀にもわたる古い建物が各時代にどのように発展するのかを証明しました。 2008年、Rueter一族がこの城を購入し、改修ののちに豪華な古城ホテルとしてオープンしました。


チロル地方のHallにあるハーゼック城は700年以上の歴史を持つ古城です。この建物では、1806年まで城壁の内側で造幣局として貨幣を鋳造していました。現在はコイン博物館となっており、鋳造の歴史や本物の鋳造機を見ることが出来るほか、雰囲気ある外観と素晴らしい景色で観光客にも人気のスポットです。


イン渓谷にあるトラッツバーグ城は、ヨーロッパで最も美しい後期ゴシック様式で建てられた城の一つで、内装は初期ルネッサンス様式となっています。かつては神聖ローマ皇帝の貴族の狩猟のための城でした。美しく装飾された大きな白い壁がルネッサンス様式の中庭を囲んでいます。

IMG_3907-HDR-Panorama-Modifier Tratzberg Castle

アンブラス城は、ヨーロッパで最も重要なルネッサンス様式で建てられた城の1つであり、実に見応えがあります。43メートルの長さのスペイン大広間には、見事な大理石で出来た幾何学模様の床があり、壁にはチロルの支配者の肖像画27枚が飾られています。現在はクラシックコンサートなどが頻繁に催されています。また、16世紀にオーストリア大公によって集められた芸術作品の部屋である「クンストウンドカンダー」があります。城と有名なホールは10ユーロの記念コインにもなりました。

数世紀後、インスブルックにオーストリアの最も重要な歴史的建造物の1つと考えられている王宮が建てられました。皇帝の別宅としてハプスブルグ家の拠点となり、多くの重要な歴史的な出来事の舞台となりました。1765年、皇帝フランシス1世が部屋の1つで亡くなったことから、その後、そこは礼拝堂に改築されました。ロココ様式のこの宮殿は、華麗でエレガントです。 この様式は一般的に明るくて楽しい雰囲気なので、内装と外装の両方が明るい色で塗られています。豪華で壮大なホールは、両側にある窓と数百本のろうそくが付いている巨大な金色のシャンデリアがあるために光で溢れています。幾何学模様の大理石の床とフレスコ画で飾られた天井があり、青空の広がる素晴らしい天井画を見ることが出来ます。チャペルには、キリストを祀る大理石の祭壇画があります。


ご紹介した様々な古城での撮影は、プロのスタッフや交通の便の良さによってスムーズに行うことが出来ます。

格調高いカトリック教会

宗教建築はオーストリアにとって非常に重要でした。オーストリアはカトリック信仰の強い国でした。宗教改革はオーストリアの人々には大きな影響を与えなかったため、教会への圧力はあまりありませんでしたが、彼らは強い信念と力と富を証明するために、ヨーロッパのスタイルと基準を守っていました。これらの教会は、今でも訪れる人々に畏敬の念を与えています。


Stift Wiltenは、もともと中世に建てられた教会と修道院で、その後バロック様式に改装され、第二次世界大戦の爆撃後に建て直されました。悪魔がこの建物の建設を止めるためにドラゴンを送ったが、英雄がその舌を切り落として勝利したという神話を現した像があります。外観は黄色と赤を使ってカラフルに塗装されており、正面には巨大な半円形の屋根があり、教会に入る人たちを守っています。内部はバロック様式ですが、フレスコ画や白い漆喰で華麗に装飾されており、金色の装飾が施された黒い祭壇が際立っています。

バロック様式のインスブルック大聖堂は18世紀に建てられました。 その珍しい特徴は、カーブした正面の壁と、5つの楕円形の窓です。内部は巨大で、英雄たちが描かれたフレスコ画と、装飾が施された3つのドーム型の金庫室があります。祭壇にはクラナッハのマリアと子供の聖なる絵を中心に、金と銀を大量に使った装飾と柱に囲まれています。


18世紀に建てられたシュタムス修道院には、生命の木をモチーフとした珍しい祭壇があります。この美しい青色の背景の非常に繊細な黄金の芸術作品は、白い漆喰とフレスコ画で装飾された明るいインテリアによって更に際立っています。教会であるだけでなく、修道院でもあるため、無数の歴史ある広間、部屋など、あらゆる種類の雰囲気ある空間を持っています。


聖母マリアが奇跡的に現れたと言われる場所に建てられたアブサム大聖堂は、毎年多くの巡礼者が訪れる聖母マリアの聖なる像の故郷です。聖なる像の前で祈る人々の魅力的な小さな絵のある礼拝堂もあります。ここでは、すべてがこのマリアの描写が中心となっています。


宗教文化に満ちたこれらの場所は、チロル人の歴史と伝統への敬意のおかげで、今日でも非常に活気があります。しかしご覧のとおり、このエリアは同時にヨーロッパで最も革新的なエリアの1つでもあり、クリエイティブな映画製作者にとって非常に豊かで多様な地域であることを証明しています。雪に覆われたアルプスの時代を超越した風光明媚な背景は、言うまでもなく、フィルムに記録されることを待っています。

ダウンロード中です
Zipで保存しました