最高のロケ地: オーストリア
ウィーンの大観覧車
ウィーンを象徴する遊園地に佇む映画史の「生き証人」
最終更新日: 2020年05月09日
ウィーンの大観覧車(Wiener Riesenrad)が最高のロケ地と考えられているのは、決して偶然の産物ではありません。ウィーンのプラーター遊園地に設置されているこの古風な大観覧車は、軽やかな鋼鉄製のスポークと赤い木製のゴンドラが特徴的な、壮大で魅力的な観光名所です。しかしいくつかの理由により、この素晴らしい建造物は幅広い評価を得るに至っていません。この観覧車はフランツ・ヨーゼフ1世の即位50周年を記念して建設されました。後に1916年には解体される予定でしたが、予算不足のために存続されることとなったのです。この観覧車は、1920年から1985年の間まで、現存するうちで最大の観覧車として知られていました。現在では、この観覧車はオーストリアの首都のトレードマーク、そして最も重要な観光名所のひとつとなっています。この観覧車に乗る人は誰でも、ウィーンという都市と恋に落ちるだろうといわれています。
この120年の歴史を誇るウィーンの大観覧車は、数多くの映画において重要な役割を果たしてきました。この功績により、2016年にはヨーロピアン・フィルム・アカデミーにより「ヨーロッパ映画文化遺産」のリストに加えられました。ここで撮影された最も有名な映画は、恐らくキャロル・リードにより全編がウィーンで撮影された1949年のフィルム・ノワール「第三の男」でしょう。例えば、主役のホリー・マーチンスと、オーソン・ウェルズ演じるハリー・ライムが邂逅する有名なシーンはこの観覧車で撮影されました。また、この観覧車は1987年の「007 リビング・デイライツ」、1995年の「恋人までの距離」といった映画でのキスシーンにも使用されています。