ハンガリーの最高のロケ地
バールナ
ブダペストの未来的なガラス張りの会場
最終更新日: 2025年02月18日
ハンガリーの首都ブダペストの建築は、独自の多様性を誇ります。 明確に識別できる様々な建築様式が並ぶ中で、「バールナ」のようなユニークで唯一無二の建築物が、この街をさらに特別なものにしています。この建物の基盤となっているのは、19世紀に建てられた工業様式の倉庫群です。これらは、水上輸送による貨物の保管と管理を目的として設計され、市内中心部のドナウ川沿いに配置されました。しかし、時代とともに水上輸送の重要性が低下し、21世紀には倉庫群が老朽化してしまいました。長期間にわたる改修と再開発を経て、この複合施設は2013年に現在の形へと生まれ変わりました。建物は一部でオリジナルのスタイルを保持しつつ、新たな用途と大胆なデザインが加えられました。倉庫の中央部分は取り壊され、ガラスの三角パネルで覆われた細長いクジラ型の構造物が設置されました。このユニークな形状にちなんで、「バールナ」(ハンガリー語で「クジラ」)と名付けられました。当初、この新しい建物は4階建てのショッピングモールとして設計され、一部のイベントホールも併設される予定でした。しかし、テナント不足により用途が変化していきました。現在の「バールナ」は、主に展示会やイベント、撮影のロケ地として使用されており、低層階にはレストランやバーが営業を続けています。こうした用途の変遷を可能にしたのは、建物の中心的な立地、未来的な外観、そして多機能な設備です。「バールナ」には、広々とした吹き抜けのスペース、トイレ、シャワー、更衣室に加え、地下駐車場や貨物用エレベーター、さらには建物のほぼすべてのエリアに設置された高電圧の電源コンセントなど、多様な設備が整っています。
バールナがロケ地として人気を集めていることは、ここで撮影された数々の大作映画からも明らかです。マット・デイモン主演の『オデッセイ』や、メリッサ・マッカーシー主演の2015年公開映画『SPY/スパイ』をはじめ、CBSのドラマ『Ransom』やナショナルジオグラフィックの『Mars』など、数多くの作品がこの場所で撮影されました。Progressive Productionsもこのユニークなロケーションで撮影を行っており、例えばCOSの2021年秋冬キャンペーンや、アメリカの人気テレビ番組『The Bachelor』の2023年シーズンの撮影がここで行われました。