最高のロケ地: オーストリア
オーストリアの原子力発電所
70年代当時の最先端技術のユニークな迷宮
最終更新日: 2020年05月09日
このウィーンにほど近い驚きのロケ地は、1970年代に建設されたにも関わらず、一度も使われたことのない原子力発電所です。ここでは冷戦時代に熱狂的にブームだった原子力発電建設の遺産を見ることができます。建設途中で原発反対のブームが高まり、最終的に国民投票でこの原子力発電所を使用することを支持する人々はたったの1.5%しかなく、稼動を中止する事態になりました。ここはオーストリアで唯一存在する原子力発電所であると同時に、建設に10億ユーロ以上かかった世界唯一の撮影のセットでもあると言えるでしょう。1000部屋以上もある迷宮には、冷戦時代の制御パネルや昔の産業技術の遺産がそのまま残されています。発電所内には巨大なタワーや原子炉、分厚い鉄の扉の圧力容器があり、一般に開放されているので私たちも内部を自由に見学することができます。もし稼動中なら施設自体がトップシークレットであろうし、現在の見学エリアは放射能だらけでしょう。この建物の典型的な70年代のデザインや色使いは、冷戦をテーマとした映画はもちろんのこと、SF映画の撮影にもパーフェクトです。
この原子力発電所は2013年のフランス-オーストリア合作の、原発で働く人々の日常を描く社会的ドラマ、グランド・セントラル(レア・セイドゥー、タハール・ラヒム出演)でも舞台となりました。他にもアントニン・ペヴニーが演出したMobyのミュージックビデオ「After」もここで撮影されました。今では撮影だけでなく様々な有名なイベントなどにも活用されるようになりました。